〈ラグビーマガジンより〉抜粋
・ジャパンのフル代表、A、U20、高校ジャパンの各監督は、完全に同じラグビーをするわけではない。ラグビーのとらえ方やアプローチには個性があり、だからこそ、強化と戦略の指針を共有することが重要になる。薫田(A監督)は「4Hを理解したうえで、指導者との特色は出していく」と明言する。「ジャパンAの場合、強調されるのは低さ、日本人の強みになるものを徹底して磨いていく」
日本の四指揮官が、一応に共有している指針は、中竹CD(日本コーチングディレクター)が唱える「4H」「はやく、低く、激しく、走り勝つ」である。2月21日の高校日本代表の合宿で各年代の指揮官が集まった。JK(日本代表ヘッドコーチ)らジャパンスタッフ、薫田、元木(U20ヘッドコーチ)松井(高校代表監督)に、中竹CD、岩淵HPM(日本協会ハイパフォーマンスマネジャー)を加えたミーティングをした中で、各監督のプレゼンテーションが基調になった。話題になったのは、タックルの高さに対するやりとりである。JKが就任以来掲げる「日本らしさ」と各監督がそれぞれのチームで(または日本代表として)蓄積してきた「実戦で外国人に通じるプレー」との間には、ある種のずれがある。
その好例として、タックルの高さ(低さ)であったりする。JKらの説明は科学的だ。ももから上、腰から胸にかけては、構造上最も強い部位であること。相手を倒すことを目的とするのなら、腰から胸の高さが最も効果的だと言う。対して、各年代監督をはじめ、日本人にとって説得力があるのは「それ(腰-胸の高さ)では、外国人は倒せない。そのやり方が通用するのは外国人対外国人の場合では」という声だ。中竹CDは、JKと同じく「腰-胸」を低さの基準と考える。「ただ、彼らはそこに入れとは言わない。そこが倒れやすいと言っているんです。イングランド代表で活躍した二ール・バック(公称178cm)にたずねたことがあるんですが、彼もタックルは腹に入ると聞きました『なぜか』とさらにたずねたら『一番倒れやすいからだ』と。対面とは常に20cmの身長差で戦ってきた彼も、そうなのです。」日本代表のなかでも、日本スタイルを一貫指導できれば、強化の効率も格段アップする。これは、地方の高校生でもチーム日本の1人として、指導者からの明確なコンセプトが必要でしょう。

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